富士スピードウェイで開催されたF1日本GPについて [1]
富士スピードウェイ、3億5千万円払い戻し
これは、オーバーテイク・シーンが間近に見られるというのを売り物にした第1コーナーの仮設スタンドで、観客から肝心のストレートエンド部分が常設席の陰になって見えないという不満が続出したもの。
課題山積の富士スピードウェイ
悪天候により波乱続出のレースとなった今年の日本GPだが、富士スピードウェイでのF1開催はレース外でも波乱に満ちたものとなった。
F1日本グランプリご来場のお客様へ
このたびの大会では、悪天候にもかかわらず、多くのお客様にご来場いただき、心より厚くお礼申し上げます。しかしながら、お客様のご期待に沿えず、弊社の大会運営上の不手際により、
様々なご迷惑をおかけいたしましたことを、大会主催者として深くお詫び申し上げます。
特にシャトルバスご利用のお客様には、雨の降る寒い中、
長時間にわたり乗降をお待たせするなど多大なご迷惑をおかけし、重ねてお詫び申し上げます。お客様からのご批判やご叱声を謙虚に受け止め、来年の大会がご満足いただけるものとなるよう、
全社を挙げて改善努力してまいる所存です。ご理解のほど、よろしくお願い申し上げます。
既に多くのモータースポーツサイトやメディア、そしてF1ファンによるブログなどで伝えられているが、30年ぶりの開催となった富士でのF1日本グランプリは、観客にとっては極めて厳しい観戦となってしまった。富士山の麓という環境から、雨のコンディションや気温低下など事前に予想された悪条件が重なってしまったこともあるが、主要因はそのような外因的な部分ではなく、そもそもチケット&ライドシステム自体に大きな問題を抱えたまま実施してしまった点だろう。
まずは、私が取った行動からどのように感じたかを記したいが、当日の私の行動について記したい。
私は金曜日の10時頃にバイクで専用駐車場入りした。そこから、専用バスでサーキットに入り、コースからは高低差もあり徒歩で30分近くかけてEスタンドに入った。席に着いたのは10:50頃、Eスタンドは2割程度が埋まっている状況だった。午前のフリー走行、午後のフリー走行を観戦し、バスの混雑を予想して、ポルシェカレラカップジャパンの予選を観戦した後、17時頃にバス乗り場に向かった。たまたま、バスが来ていたこともあり15分ほどでバイク駐車場に到着、家路に向かった。
土曜日は朝の時点で雨がきつく、セッションの中止が予想されたので敢えて自宅での観戦とした。予想通り午前のセッションは5分程度、午後の予選も中止が予想されたが、あの霧の天気の中、予選は何事もなかったかのように実施された。
日曜日、この日は雨だろうが観戦しないわけにはいかない。午前のセッションがないこともあり、バイク置き場には11:00頃に到着。しかし、その時点でサーキットからはバイク駐車場までバスが並んでいた。歩いても40分の距離、さすがに2時間半あればサーキットに着くだろうと考えていたのだが、乗車するバスがなかなか来ない。そして、30分後にバスが到着、乗り込むが20分たってもバスは全然進まない。契約違反と言うことを承知していたのにもかかわらず、そのバスの運転手さんは一部の客の要請を受け扉を開放。私を含めた10人ほどが下車し、徒歩でサーキットへと向かった。

途中、バスを200台近く追い越しサーキットに到着。途中、追い抜いていったバスは人が5人程度しか乗っていないバスもあり、このような空に近いバスまで並んでいては渋滞して当然だろうと思ったが、そのバスは既に徒歩でサーキットに向かった観客を降ろしたバスだったのかもしれない。サーキットゲートで一悶着するだろうと思われたが、既に東ゲートには1000人を遙かに超える人たちがゲートをくぐっており、キツイ登り坂を上っている最中だった。途中、誰が考えても混乱するチケットゲートを抜け(レース直前の状態を甘く考えすぎだ)、E席に着いたのがインスタレーションラップの始まった13時過ぎだった。

そして、決勝レース観戦。正直、あのコンディションでレースをするとは夢にも思わなかった。その点については別のエントリで改めて触れることにする。決勝レースは規定周回を終え2時間を超えて終了。レース中盤から、少しずつバスに向かう観客が出ていたが、レース終了寸前には既にチケットゲートが一杯になるほどの観客がバス乗り場に向かっていた。レース終了直後からその流れは大幅に膨らみ、大混乱をきたしている。この時点でバス乗り場に向かっても混乱は必至と考え、客席で表彰台そしてインタビューを見た上で指定席を立った。
16:30頃、スピードウェイプラザよりバス乗り場に向かうが、大雄山行きのバスの列がスピードウェイプラザまで伸びていることに驚く。そして、バス乗り場の坂を下り始めて凄まじい人の列に驚愕することになる。どのバスの列も、凄まじい長さだ。そして、列の最後尾がわからない状況となってしまっている。自分が乗るバイク駐車場の列に至っては、完全に他の列に埋もれてしまいどこにあるのかもわからない状況。スタッフに聞いてもわからない、致し方ないので30°バンクの坂に上り(このような状況で30°バンクを拝むとは思いも寄らなかった)バイク駐車場の乗り場を発見。他の列が折り重なっており困難を極めたが、何とか列にたどり着いた。列は短いがなかなかバスが来なかったが、18:25頃バスに乗車、駐車場に到着したのは18:40頃だった。

正直、10年以上鈴鹿でF1観戦をしていることもあり、この程度なら自分自身はそれほど苦労したとは思っていない。これまで最も富士が混雑すると言われていたSuperGTでも場内からの退場について渋滞は激しいが、観客の桁が違うF1なのだこの程度なら許容できる範囲だ(もっともSuperGTは自家用車でサーキットにはいることができるのだが)。しかし、だからといって今回の富士でのF1が成功したとは思っていない。行きのバス、帰りのバス、どちらも問題が山積だ。サーキットから最も近い場所にあるバイクの駐車場を選んだことが、最も私にとって成功した選択だったといえる。しかし、観客全てがバイクという選択をすることはできない。今回、ツアー以外の自動車・バイクの駐車場や最寄りの駅という選択肢の中では、奇跡的に状況が良かっただけだと言える。
まず、この東バス乗り場に向かうバスについて、金曜日の時点でそのアクセスについて疑念を抱かざるをえない箇所があった。1000台近いバスが行き交うことを考えれば、片側一車線の対面通行でさえ問題が起きそうなのにもかかわらず交互通行の箇所がある。しかも、その部分はアスファルトではなく土むき出しの道路とは呼びがたい箇所だ。雨が降れば土はぬかるむ、1000台ちかいバスが行き交えばダメージを受けるのは誰でもわかりそうだ。そして、その周辺で例の陥没騒ぎが起きたと思われる。
また、そのバス乗り場での案内の不親切さにも閉口した。先に書いたとおりで、様々な箇所に向かうバス乗り場の列が複雑に絡まり、最後尾などがわからない状況。現地にはバイトとおぼしきスタッフが数名。責任者というか、現場で指揮を執る人間はおらずバイトスタッフが懸命に自分に与えられた仕事を遙かに上回る作業に追われる。中にはそのスタッフを怒鳴る観客も現われる、それに必死に対応するスタッフを見て、自ら列の整理を始める観客も現われる。ここはどこなのだろう、なぜこの事態をここにいる人間だけで収拾しなくてはいけないのだろうか? あれだけの人数に対応するのなら数百人のスタッフが必要なのは自明だ。土曜日に陥没騒ぎにより2万人近い観客が取り残された事態を見て、なぜ主催者は対策を考えなかったのか。これは事故ではない、明らかに主催者の無計画さそして怠慢が招いた事態なのだ。下記の写真に写っている人たちは、スタッフを含めて一切悪くないのだ。

私は今回の混乱はある程度予想していた、そして多くのF1ファンが、そう鈴鹿でF1を経験している多くのファンが予想していた事態であった。しかし、私は期待していた、周囲からあれだけ言われているのだ、それに反してトヨタという企業なら必ずやってくれると。しかし、我々の期待は裏切られ想定していた最低のシナリオへと突き進んでいったのだ、、、。
一度失った信頼を回復することは容易ではない。間違っても、お詫びのメッセージをWebに掲載するだけでは全く意味を成さないだろう。トヨタは寄せられる苦情や意見などに真摯に耳を傾け、失った信頼を取り戻す為に行動しなくてはならない。ただ、並大抵の行動では地に落ちた富士でのF1日本グランプリのイメージは覆らない。本当にモータースポーツをこよなく愛するファンはまだしも、そこまでモータースポーツに対して関心の無い層には致命的だ。二度とモータースポーツに足を運んでくれないことになってしまったら、日本のモータースポーツ界にとっては極めて甚大な損失になるだろう。
【つづく】
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